アリババニュース
2011年2月21日、アリババドットコム リミテッドは、同社の運営するB2BトレードサイトAlibaba.comにおいて、一部の中国サプライヤーが不正行為によってバイヤーへ損害を与えていたこと、また、一部社員による当該サプライヤーの出展への関与があったことを発表いたしました。
今回の事態は、アリババが最も大切にしている価値観である「誠実、信頼、安全性」を著しく棄損するものであり、この問題の責任を取るため、アリババドットコム リミテッドの最高経営責任者(CEO)であるディビッド・ウェイと、最高執行責任者(COO)であるエルヴィス・リーが同日付けで辞職することを同時に発表いたしました。
なお、後任の最高経営責任者(CEO)には、アリババグループの淘宝(タオバオ)ホールディングスの最高経営責任者(CEO)であるジョナサン・ルーが就任いたしました。
本件の概要は以下の通りです。
1. 2009年から2010年にかけて、一部の中国サプライヤーが、認証されたサプライヤーにのみ与えられる「チャイナゴールドサプライヤー」の称号を、規定の認証や審査手続きを受けることなく取得し、不正な取引きを行っていた。
2. その際、アリババドットコムの一部社員が、問題のある中国サプライヤーであることを知りながら、Alibaba.comに「チャイナゴールドサプライヤー」として出展できるようにしていたことが確認された。この行為に、直接的、間接的に関与した社員は約100人であった。
3. ディビッド・ウェイ(CEO)及びエルヴィス・リー(COO)の本件への関与はなかったが、バイヤーに損害を与え、また、アリババが最も大切にしている価値観である「誠実、信頼、安全性」を著しく棄損したことを重く受け止め、取締役会に辞表を提出し、辞任が認められた。
【アリババグループ代表:馬雲(ジャック・マー)のコメント】
アリババがもっとも大切にしている価値は誠実さだ。アリババの社員は常に誠実でなければならず、私たちのサービスは、顧客に対して誠実であり、信頼、安心を提供するものでなければならない。我々の今回の決定は、自らの企業文化および提供価値に妥協を許さないというという決意を、改めて表明するものである。
本件の詳細については、アリババドットコムの公式発表 (英文) をご確認ください。
–抄訳—
アリババドットコム リミテッド
(阿里巴巴網絡有限公司)
<証券コード:1688>
役員異動のお知らせ
アリババドットコム リミテッド(以下当社)は、2011年2月21日開催の取締役会において、下記のとおり役員異動を決議いたしました。本決議は即日発効いたします。
・当社の最高経営責任者(CEO)である衛哲(ディビッド・ウェイ)は辞意を表明し、取締役会はこれを受理しました。
・取締役会は衛哲の後任として、陸兆禧(ジョナサン・ルー)をCEOに任命しました。
・当社の最高執行責任者(COO)である李旭暉(エルヴィス・リー)は辞意を表明し、取締役会はこれを受理しました。
【新CEOの略歴】
陸兆禧(ジョナサン・ルー/41歳)は、ネットワークコミュニケーションに関する企業の共同創業者を経て、2000年にアリババグループに入社しました。淘宝(タオバオ)ホールディングの最高経営責任者(CEO)及びアリババグループのエグゼクティブバイスプレシデントを務めています。これらに加え、2月21日より、アリババドットコムのCEOを兼務いたします。
2000年から2004年にかけて、事業を統括するポジションを歴任し、アリババ中国南部の営業エリアの責任者に就任し、2004年9月、支付宝(アリペイ)の設立チームに所属し、その後代表に就任。その後、2008年1月に淘宝(タオバオ)ホールディングの最高経営責任者(CEO)に就任(現任)しています。
ジョナサンはチャイナ・ヨーロッパ・インターナショナルビジネススクールでビジネスアドミニストレーションを学び、修士号を取得しています。
【内部調査の暫定結果】
この度の役員異動は、2011年2月21日付け取締役会において、社外非常勤取締役である関明生(サヴィオ・カン)により行われた内部調査の暫定報告の結果を受けて行われたもので、その要旨は下記の通りとなります。
・Alibaba.com上での、チャイナゴールドサプライヤーによる不正行為は2009年後半から顕著に増え始め、2010年もほぼ年間を通して発生していました。2010年第三四半期報告書にすでに記載されているように、2010年第三四半期初めには経営陣もこの問題を認識していました。この問題は当社の提供する価値を揺るがしかねない問題であるとして重要視し、当該中国サプライヤーの契約解除等の処置を講じることで不正事例を著しく減少させることができました。
・2009年に契約した1,219件のチャイナゴールドサプライヤー(全体の1.1%)と2010年に契約した1,107件のチャイナゴールドサプライヤー(全体の0.8%)がバイヤーに対する不正行為に関与したと判断されました。これらのサプライヤーのサイト掲載はすでに打ち切られており、今後も当社の不正行為検出モデルに基づき、不正取引に関与しているおそれのあるサプライヤーに対して的確な処置を講じてまいります。
・また、当社はこれらの中国サプライヤーの大多数が故意に不正行為を行ったと判断しました。調査の結果は、当該中国サプライヤーがアリババドットコムの仕組みを組織的かつシステム的に不正に利用して、不当な利益を得たことを示唆しています。不正行為の大半は、需要の高い家電製品を非常に安価かつ小ロットで販売すると掲載し、取引の安全が確保されていない決済方法を利用することで行われていました。なお、バイヤーの平均的な被害金額は、1,200米ドル以下となっています。
・当社が中国で雇用している約5,000人の営業スタッフのうち、スーパーバイザーやセールスマネージャーを含む約100人のスタッフが、不正取引を目的とした中国サプライヤーが規定の認証や審査手続きを避け、組織的にAlibaba.comに出展できるようにすることで、本問題に直接的または間接的に関与した責任があると判断いたしました。また、当社の提供する価値に深刻な損害を与えかねないこのような事態を引き起こした原因として、営業組織の一部が、短期の経済的利益をのみを求める姿勢をもったためだと結論付けました。
・ディビッド・ウェイ(CEO)およびエルヴィス・リー(COO)を含む経営陣はこの不正行為に一切関与しておらず、本問題に対し真摯に対応したことが再確認されましたが、両名は「誠実であれ」とするアリババの企業文化を著しく棄損したことへの責任を取るため辞意を表明し、これを取締役会が受理しました。
なお、これらの不正取引によって、すでに報告された決算および該当期間内の財務状況に重大な影響を与えることはありません。引き続き状況を監視し、今後の業績見込に重大な影響を及ぼす場合は報告いたします。
【馬雲(ジャック・マー)によるコメント】
アリババがもっとも大切にしている価値は誠実さだ。アリババの社員は常に誠実でなければならず、私たちのサービスは、顧客に対して誠実であり、信頼、安心を提供するものでなければならない。
我々の今回の決定は、自らの企業文化および提供価値に妥協を許さないというという決意を、改めて表明するものである。
優れた人材が会社から去ることは残念だが、ディビッドとエルヴィスがすべての責任を取るために辞職を決意したことは尊重すべき行為だと思う。両名のこれまでの貢献に感謝の意を表したい。
不正取引が再発することを防止するために、アリババの運営方針や企業組織、手続きや業務システムに欠陥がないかどうかの調査は現在も続けられています。
取締役会は、継続的な調査と監視を監査委員会に対して要請しており、新しい最高経営責任者(CEO)であるジョナサン・ルーに対し、当社サービスの信頼性と安全性を強化するために有効な措置を講じるように命じました。
【補足】
今回の辞任の結果、当社の取締役の総数は11名に減少しました。
当社取締役の指名委員会は、状況に応じて辞職した取締役を補充すべきかどうか検討し、必要と判断した場合、適切な候補を選定し任命します。
上記の通り、当社取締役会は、本件において当社の株主に懸念をもたらす事項はないと判断しています。ディビッド・ウェイ(CEO)およびエルヴィス・リー(COO)のいずれも、当社取締役会の決定に異論はなく、その辞任に関して株主に周知すべき事項はないことを確認しています。
当社取締役会は、ディビッド・ウェイおよびエルヴィス・リーのこれまでの会社に対する貢献について感謝するとともに、今後の活躍を祈念しています。